はげやきそば

映画 格闘技

ディザスターアーティスト

昨日「ディザスターアーティスト」を見た。

 

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2003年製作の「The Room」という史上最低な映画があってその映画の製作過程を描いた映画だ。

 

演技学校でグレッグという若者がトミーウィソーと出会う。

トミーは演技の授業でも他の生徒とは全く違う演技をしていて、

その演技がすげえってことでグレッグはトミーと仲良くなろうとする。

ただそのトミーはどう見ても40歳過ぎのおっさんなのに19歳だとか言ったり謎に金を持っていたりと

相当な変人である。

その変人と一緒にグレッグはスターになろうということでLAに言って頑張ろうというが、

なかなかうまくいかないから、「自分で映画を作るか」とグレッグが言ったら

それを本気にするトミー。

その映画が「The Room」。

そこでど素人たちの映画づくりが始まる。

 

という映画。

 

監督と主演(トミーウィソー)がジェームズフランコ

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この男前はサム・ライミ版のスパイダーマンでハリー役を演じていた人。

「DEUCE」というドラマ版で主演で双子を1人二役で演じていて素晴らしいなあと思っていた。

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この映画でも

トミーウィソーという現実離れした変態をとてもリアルに面白く演じていてすごい。

下手な役者がやっているとコントのようになってしまったのではないかと思うが素晴らしかった。

 

この映画の面白いのはやはりこのトミーウィソーというキャラクターだと思う。

このトミーという人は、偉そうなことは言っているが実は知識もセンスも全くない。

何故かめちゃくちゃ金を持っていて、めちゃくちゃ行動力があるが全く活かすことのできない人間だ。

この映画は、何回かグレッグがトミーに行動を促すシーンがあるが、

ほぼこのトミーの行動によってストーリーが動いている。

映画の主人公として理想的なキャラクターだ。

このような主人公があれば、どんなジャンルでもどんなあらすじでも面白くなると思う。

そのトミーの行動原理は一つで「承認欲求を満たしたい」ということ。

おそらくトミーは生まれてほとんど人から認められたことがないのだろうと思う。

(多分お金も宝くじなのか、親の金なのかなのだろう。)

だから、自分を認めてくれたグレッグをすぐ親友のように扱うし、

自分のところを離れそうになったらとんでもなく怒るし、

スタッフを盗み見したりする真似をする。

 

僕はトミーのような行動は起こすことはないが、

気持ちはすごくわかる。

僕も人に否定されることはとても傷つく。怖い。

だからトミーのことが人事のことには思えない。

他の人に陰口叩かれたり、グレッグに見捨てられそうになるのを見ると

すごく苦しい。

(嫌われて当然の行動なのだが。)

そういう人は多いと思う。

トミーというキャラは特殊なものだが、その感情はとても普遍的で単純なものなのだ。

だからわかりやすく面白くこの映画はなっている。

そして、ラストでその承認欲求は皮肉な形で満たされる。

そのひねりも秀逸なものだと感じた。

(実話らしいので、よくできた話だ。)

 

この映画の面白いところはこの主人公によるものだと思うがコメディとしても面白い。

映画をいざ撮るとなって機材屋に出向くトミーとグレッグ。

「映画を撮るからカメラを探している」とトミー。

「35mフィルムとデジタルカメラがあるがどっちがいい。」と機材屋。

「どっちもだ。」とトミー。

意味がわからない。

「それはムダなことだよ。まあいいや。どの期間貸出すればいい?」と機材屋。

「買う」とトミー。

「めちゃくちゃ高いぞ!?」と機材屋。

「金は大丈夫だ」と

本当にカメラを二台購入する。

 

そして、撮影はフィルムカメラデジタルカメラをおんなじ位置に設置して同時収録をする。

モニターには同じアングルの映像が映っている。

意味がなさすぎる。

腹抱えて笑った。

 

こんなバカみたいなことをトミーたちはマジでしている。

ふざけている人間は1人もいない。のに状況がバカみたいな状況という

映画的な笑いでよかった。

 

映画づくりの映画では「カメラを止めるな!」があったが

こちらの方が僕は好きだった。

そういう映画では「アメリカの夜」も最近みたのでその事も書こう。

 

ハハハ